不動産の賃料の種類と名称

さまざまな賃料の分類
不動産鑑定評価基準では、様々な賃料の概念が出てきます。
不動産の賃料を考えるうえで非常に重要な概念になりますので、今回は賃料の種類をご紹介します。
(今回は簡単にご紹介するに留めて、詳細は別コラムで記載します。)
賃料の分類 ①家賃と地代
大前提になりますが、建物の賃料と土地の賃料では名称が異なります。
一般的に前者を「家賃」といい、後者を「地代」といいます。
家を貸している場合
建物の賃料は一般的に「家賃」と呼ばれます。
土地を貸している場合
土地の賃料は一般的に「地代」と呼ばれます。
賃料の分類 ②新規賃料と継続賃料
ここから先は鑑定評価基準上の賃料概念になります。
まず、新規賃料と継続賃料という概念があります。
新規賃料
新たに賃貸借契約を結ぶ場合の賃料を「新規賃料」といいます。
なお、新たに土地賃貸借を結ぶ場合は「新規地代」、新たに建物賃貸借を結ぶ場合は「新規家賃」と呼びます。
継続賃料
地代を改定する場合の地代を「継続地代」と呼び、家賃を改定する場合の家賃を「継続家賃」と呼びます。
賃料の分類 ③支払賃料と実質賃料
次に実質賃料と支払賃料という概念があります。
鑑定評価基準では、①毎月支払われる賃料の額だけではなく②敷金、権利金、保証金、礼金等の名前で金銭が授受された場合これらの一部も実質的に賃料を構成していると考えるため、実質賃料と支払賃料を明確に区分しています。
支払賃料
支払賃料は各支払時期に支払われる賃料をいいます。賃料○○円と書かれている金額がまさに支払賃料です。
実質賃料
実質賃料とは、賃貸人に支払われる適正な全ての経済的対価をいいます。賃貸住宅を例にすると、支払賃料に敷金の運用益や礼金の運用益償却額等を加算することにより求めることができます。
式で表すと次の通りです。
支払賃料+敷金・保証金の運用益+礼金・権利金の運用益と償却額=実質賃料
賃料の分類 ④正常賃料と限定賃料
最後に正常賃料と限定賃料という概念をご紹介します。
通常は正常賃料ですが、隣地を借りる場合など非常に特殊な場合に限定賃料となる可能性があります。
正常賃料
正常賃料は、通常の市場で契約が成立するであろう新規賃料をいいます。
限定賃料
限定賃料とは、特定の当事者間でのみ成立する賃料をいいます。具体的には、隣地を借りて併合使用する場合の賃料をいいます。
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