不動産鑑定士の得意分野・取扱分野

はじめに

士業はその多くが独占業務(その資格を持っていなければできない業務)を持っています。

不動産鑑定士の独占業務は「不動産の鑑定評価」ですが、その依頼目的は広範にわたり、それぞれ内容が深いためその全てを極めることは、時間・経験等の観点からかなり難しいように思います。

一方で、依頼が多い業務に関しては業務を通じてより深く理解し、その業務に強くなっていきます。

このような理由から「○○が得意」「●●が専門分野」というような業務特化している不動産鑑定士(業者)が多く見受けられます。

今回は、不動産鑑定士の得意分野・専門分野についてご紹介します。

士業の得意分野・専門分野の例

まず、不動産鑑定士以外の士業の得意分野等を例示します。

士業得意分野の例
税理士・企業税務が得意
・相続に強い
弁護士・不動産問題に強い
・離婚問題に強い
公認会計士・M&Aに強い
・事業承継に強い
弁理士・特許出願に強い
・知財に強い
建築士・デザイン住宅に強い
・災害に強い建物が得意
社会保険労務士・労働問題に強い
・助成金に強い

不動産鑑定士の得意分野

「不動産鑑定士は不動産の鑑定評価をするだけだから専門分野なんてないのではないのか?」と思われるかもしれませんが、不動産鑑定士にも専門分野はあります。

上記は依頼目的による分類ですが、それぞれ必要な知識は大きく異なります。

(不動産鑑定士試験合格だけでは最低限の知識しかありませんので、自分で勉強しなければ全然対応できません)

また、依頼目的ではなくアセットの種類に得意分野がある場合があります。

アセットの得意分野

・オフィスビルの鑑定評価

・病院の鑑定評価

・物流施設の鑑定評価

・工場の鑑定評価

・ホテルの鑑定評価

アセットごとにみても、オフィスビルの評価に必要な知識とホテルや物流施設等で必要な知識は大きく異なります。

得意分野を知る方法(情報公開)

ほとんどの不動産鑑定事務所は幅広く業務を受け付けてはいますが、依頼者様の立場からするとその分野を得意としている不動産鑑定士に依頼したいのではないでしょうか。

もしも、得意分野の不動産鑑定士に依頼したい場合には次のような方法で探すことができます。

検索エンジンで調べる

不動産鑑定業者のホームページの中には得意分野・専門分野を打ち出している業者があります。

たとえば検索エンジンに「裁判 不動産鑑定」と打ち込めば「訴訟に特化した不動産鑑定業者」などが出てきます。

方法
1

連合会の会員検索「受講した研修から探す」

連合会の会員検索システムでは受講した研修から会員を探すことができます。

ただし、研修履歴の公開非公開は不動産鑑定士の任意であるため、検索できない場合があります。

さらに、研修を受講したからと言って必ずしも得意とは限りません。(苦手だから受講したのかも・・)

とはいえ、一つの参考にはなるかと思います。

方法
2

専門性研修プログラム修了者の公表

日本不動産鑑定士協会連合会では専門性の可視化を目的として専門性研修プログラムを用意し、修了した者の名前を公表しています。

実施されている専門性プログラムは次の通りです。

証券化専門性研修プログラム

相続専門性研修プログラム

賃料専門性研修プログラム(※令和4年から実施)

専門性研修プログラム修了者であれば一定の品質が担保されるかと思いますが、テーマが少ないのでもう少し種類が欲しいところです。
(裁判専門性研修プログラムとか企業会計専門性研修プログラムとか・・)

方法
3

不動産鑑定士の保有資格を見てみる

多くの不動産鑑定士は保有資格をホームぺージで開示しています。

例えば、次のような保有資格があれば当然、その分野の専門性が担保されます。

不動産鑑定士×弁護士

⇒裁判鑑定に強い

不動産鑑定士×公認会計士

⇒企業会計上の評価に強い

不動産鑑定士×税理士

⇒税務・税務評価に強い

不動産鑑定士×建築士

⇒建物評価に強い

方法
4

まとめ

不動産鑑定評価ニーズの多様化にともない、不動産鑑定士の業務の専門分化は進展しています。

もし、不動産鑑定士への依頼を検討する際には、得意分野から探してみるのもいいかと思います。

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不動産鑑定士

倉坂 和斗
倉坂 和斗税理士試験科目合格・宅地建物取引士・FP技能士
(公)日本不動産鑑定士協会連合会 会員
(公)東京都不動産鑑定士協会 会員

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