不動産鑑定士は鑑定評価書を交付できない?

謎かけみたいなタイトルですが、実は不動産鑑定士は依頼者に対して鑑定評価書を交付することができません。

今回はこの内容についてコラムに綴ります。

不動産鑑定士は鑑定評価書を交付できない?

まずは『不動産の鑑定評価に関する法律 第39条』をご紹介します。

不動産鑑定業者は、不動産の鑑定評価の依頼者に、鑑定評価額その他国土交通省令で定める事項を記載した鑑定評価書を交付しなければならない。

不動産の鑑定評価に関する法律 第39条

この条文を読むと「不動産鑑定業者は鑑定評価書を交付しなければならない」と規定されています。

不動産鑑定とは一言も書かれていません。

この法律だけでなく、鑑定評価基準やその他資料を読んでも、不動産鑑定士が鑑定評価書を提出することができるとは書かれていません。

つまり、不動産鑑定士は鑑定評価書を交付することができないのです。
(ウソみたいな話ですが本当にできません)

誰が交付できる?

では、だれが鑑定評価書を交付できるのかというと不動産鑑定業者です。

不動産鑑定士は鑑定評価書のもととなる「鑑定評価報告書」を作成しますが、実際に「鑑定評価書」を交付するのは業者でなければなりません。

鑑定評価報告書の交付
鑑定評価書の交付

何故個人で発行できない?

現行の法律及び基準上、不動産鑑定士が鑑定評価書を発行することは認められていません。

(個人で発行しても良いじゃないかとも思うのですが、、)

おそらく業者にしか発行できないことにすることによって、鑑定評価書の品質と信頼性を担保しようとする目的があるのではないかと勝手に思っています。

例外

ただし例外として、地価公示に係る鑑定評価書は不動産鑑定士個人が提出することができます。

なぜならこの場合「地価公示法」によって不動産鑑定士が鑑定評価書を提出できることが規定されているからです。

第二条第一項の規定により標準地の鑑定評価を行つた不動産鑑定士は、土地鑑定委員会に対し、鑑定評価額その他の国土交通省令で定める事項を記載した鑑定評価書を提出しなければならない。

地価公示法 第5条

まとめ

不動産鑑定評価書を依頼する機会がありましたら、①鑑定業者名の記載があり、②不動産鑑定士の署名がされているかをまずご確認ください。

不動産鑑定業を営む上で最低限のルールですので、大丈夫だとは思いますが。。念のため。

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不動産鑑定士

倉坂 和斗
倉坂 和斗税理士試験科目合格・宅地建物取引士・FP技能士
(公)日本不動産鑑定士協会連合会 会員
(公)東京都不動産鑑定士協会 会員

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