地価公示の【標準地】はどのように選ばれる?

地価公示とは?

地価公示とは、国が一般の土地価格の指標を与えるために行う大規模な土地価格調査のことです。
大規模な土地価格調査とは言っても全ての土地価格を評価するのは不可能ですので、選ばれた土地のみが評価されて公示されることになります。
標準地とは?

公示価格を求める対象として選ばれた土地を「標準地」と呼びます。
年度 | 標準地の数 |
---|---|
平成27年 | 23,380地点 |
平成28年 | 25,270地点 |
平成29年 | 26,000地点 |
平成30年 | 26,000地点 |
平成31年(令和元年) | 26,000地点 |
令和2年 | 26,000地点 |
令和3年 | 26,000地点 |
令和3年度は全国26,000地点の土地が「標準地」として選ばれ、この標準地について令和3年3月に地価が公示されています。
標準地はどのように選ばれる?

この標準地はやみくもに選ばれているわけではなく、次のような手順で選定されています。
⑷標準地の点検及び候補地の選定並びに標準地の選定
ア 鑑定評価員は、既存の標準地が標準地の選定要領(昭和57年6月16日土地鑑定委員会決定。以下「選定要領」という。)に定める標準地選定の原則に照らし適格性を有しているかどうか、都道府県地価調査の基準地との関連において標準地の配置が適切かどうかなどについて点検し、分科会で検討の上、必要に応じ新たな標準地の候補地を選定要領に基づき選定する。
イ 分科会幹事は、当該分科会における標準地の点検及び候補地の選定状況を、分科会幹事会において相互に広域的観点から検討する。
ウ 委員会は、分科会幹事から代表幹事を通じて提出された標準地の候補地を、選定要領に定める標準地の選定の基準等に適合しているかどうかなどについて審査し、必要な調整を行って標準地を選定する。
地価公示制度の概要 5.地価公示の手順 ⑷標準地の選定より引用
なお、標準地選定の原則とは次のものをいいます。
⑴標準地の代表性
標準地は、市町村(都の特別区及び政令指定都市の区を含む。)の区域内において、適切に分布し、当該区域全体の地価水準をできる限り代表しうるものであること。
⑵標準地の中庸性
標準地は、当該標準地設定区域内において土地の利用状況、環境、地積、形状等が中庸のものであること。
⑶標準地の安定性
標準地は、標準地設定区域内における安定した土地の利用状況に配慮したものであること。
また、標準地が土地の利用状況が安定的に推移している地域内にある場合にあっては、そのような変化に十分に配慮したものであること。
⑷標準地の確定性
標準地は、明確に他の土地と区別され、範囲が特定できるものであること。
また、選定する標準地の特性を踏まえ、範囲の特定する方法を広く考慮することで、範囲の特定が容易な地点に偏ることがないように配慮すること。
選定替えとは?

標準地は一度決めたらずっと継続されるというものではなく、毎年点検が行われ、標準地としての適格性を判定し、前述した標準地選定の原則のうち1つでも欠けた標準地については標準地が変更になります。
これを「選定替え」と呼びます。
令和3年度は26,000地点のうち、251地点について選定替えが行われています。
地価公示は便利
土地の大まかな価格を知りたい場合に地価公示はとても便利です。
不動産鑑定士が評価した適正価格が、誰でも無料で見ることができる上に、今ではなんと鑑定評価書まで公開されています。
地点数も26,000地点もあるので、調べたい土地の周辺に標準地がある場合がほとんどです。
このような公示価格を活用しない手はありません。
土地の売却や購入をしようとする場合には、公示価格をチェックしてみてください。
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