日本不動産鑑定士協会連合会の「実務指針」とは?

実務指針等

鑑定業務に携わっている不動産鑑定士は通常「日本不動産鑑定士協会連合会」(以下、連合会)に所属しています。

当然私も連合会に所属しておりますが、連合会では、不動産鑑定士が遵守すべきものとして「実務指針」「業務指針」「研究報告」を広く一般に公表しています。

指針等の種類

公表されている指針等は次のようなものです。

務指針

「実務指針」とは、指針の制定改廃に関する規程 第3条第2号の規定に基づき、不動産鑑定士が不動産鑑定評価等業務に係る実務を行うにあたり指針とすべきものとして、かつ当該業務の適正さを確認するための指針として連合会が公表するもので、不動産鑑定士が当該業務を行う際には準拠するものとし、準拠できない場合又は他の方法に拠る場合は、その合理的な根拠を明示しなければならないものをいう。

不動産鑑定士が守るべき指針

業務指針

「業務指針」とは、上記規程第3条第3号の規定に基づき、不動産鑑定業者が不動産鑑定業を営むにあたり指針とすべきものとして、かつ不動産鑑定評価等業務に係る実務の適正さを確認するための指針として連合会が公表するもので、不動産鑑定業者が、不動産鑑定業を営む際には、原則として準拠しなければならないものをいう。

∴不動産鑑定業者が守るべき指針

研究報告

「研究報告」とは、上記規程第3条第4号の規定に基づき、連合会が調査研究して作成した成果物のことをいい、不動産鑑定士にあっては不動産鑑定評価等業務を行うに際して、不動産鑑定業者にあっては不動産鑑定業を営むに際して、それぞれ参考になるものとして連合会が公表するものをいう。

∴鑑定士または鑑定業者が参考にすべきもの

今回はこの実務指針とは何なのか、わかりやすく御紹介します。

実務指針の種類

公表されている実務指針は下記の通りです。

不動産鑑定士試験と実務指針

不動産鑑定士試験では「不動産鑑定評価基準」を勉強することになりますが、実務指針については触れません。
上記の通り、実務指針には様々なものがありますが、例えば「不動産鑑定評価基準に関する実務指針」は277ページにも及びます。

つまり猛勉強して不動産鑑定士試験に合格した時点がスタートであり、さらに実務指針を猛勉強して、業務指針に従い、研究報告に目を通すという作業が続きます。

「不断の勉強」がとても大切です。

まとめ

不動産鑑定をご自身で依頼した場合や相手方が不動産鑑定評価書を提出してきた場合、その適正さを検証するために公表されているこれら実務指針等を参考にすることができます。

ただし、一般の方には実務指針の内容はやや難解なものかと思われますので不動産鑑定評価書の適正さを検証したい場合には不動産鑑定士に相談してみるのがベストだと思います。

(いくつかの業者で不動産鑑定評価書の適正さを検証するセカンドオピニオンサービスをしています)

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