「売買の参考」のための不動産鑑定とはどんな状況?
売買の参考のための不動産鑑定評価は次の2つのケースが考えられます。
①買主が売主の提示価格が適正かどうかわからない場合(買主側の立場)
②売主がいくらで売ればよいかわからない場合(売主側の立場)
①買主が適正価格を知りたいケース
戸建住宅やマンションの場合はほとんどの場合、地価水準が形成されており、買主もその価格水準を知り得る状況ですので、鑑定評価は不要と考えられます。
ただし次のような場合は、一般の買主が適正な価格水準を知る事が困難になります。
①不動産が工場・事務所などの場合
②市街化調整区域に存している土地の場合
③道路に接していない土地(無道路地)の場合
このような場合は、不動産鑑定を活用することが考えられます。
また、相対取引で売主が提示してきた価格が明らかに高いと感じた場合には、不動産鑑定評価書を売主に提出することにより、根拠のある価格交渉が可能となります。
②売主が適正価格を知りたいケース
不動産を売ろうとする場合、通常は不動産業者にお願いをして無料査定をしてもらうことになると思います。
信頼できる業者であれば、その方法で全く問題ありません。
しかし不動産業者のなかには契約を結んでもらうために、明らかに相場より高い価格で無料査定額を出してきて「この価格で売れますよ!」という業者もいます。
このような業者につかまってしまうと、そんなに高い価格で売れるわけがありませんので、売れ残り、そしてズルズル値下げして、長い時間売却することができなくなります。
このようなことにならないように複数の不動産業者に一括して無料査定を依頼しましょう。
明らかに高い金額で無料査定を出してくる業者にはくれぐれもご注意ください。
結論として売買の参考のために、不動産鑑定を使うことは非常にまれです。
(ただし、相続や遺産分割、財産分与や同族間での売買である場合には不動産鑑定が非常に有効なケースがあります)
実際の事例
弊社で不動産鑑定をした現実の事例をご紹介いたします。
依頼者様は売主が提示してきた金額(1億2500万円)が適切か否か知りたくて弊社に不動産鑑定を依頼されました。
鑑定評価額を売主側に提出した結果、9,000万円まで下がりました。
本件では鑑定費用が25万程かかりましたが、買主様は3,500万円の減額に大喜びでした。
このように不動産鑑定をうまくご活用いただければ費用対効果は抜群です。
売買の参考における不動産鑑定のメリット
①買主側のメリット
・戸建住宅やマンションは価格水準が形成されており、一般の方でも容易に調べることができますので、不動産鑑定は基本的は不要です。
・無料査定書が明らかに高い場合→不動産鑑定評価書により根拠のある価格交渉が可能になります。
・戸建住宅・マンション以外の価格水準がわからない不動産→不動産鑑定により適正な時価の把握が可能になり、その結果売買交渉で優位になります。
②売主側のメリット
・基本的には不動産鑑定は不必要です
(ただし相続・遺産分割・財産分与・同族間売買等の場合は不動産鑑定のメリットがあります)
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