収益逓増及び逓減の原則の意義
ある単位投資額を継続的に増加させると、これに伴って総収益は増加する。
しかし、増加させる単位投資額に対応する収益は、ある点までは増加するが、その後は減少する。
この原則は、不動産に対する追加投資の場合についても同様である。
不動産鑑定評価基準 総論第4章Ⅵ
この原則は一般の財も不動産も同様に当てはまる原則です。
内容
例えば、ある土地に建物を1階層ずつ増やしていった場合を考えてみます。
建物を1階層増やした場合の収益をここでは「限界収益」と呼ぶことにします。
※正確性よりもわかりやすさを重視しています。
- 1階建て:0階から1階になったことにより収益が100万円に増えました
- 2階建て:1階から2階てになったことにより収益が300万円に増えました
- 3階建て:2階から3階てになったことにより収益が500万円に増えました
- 4階建て:3階から4階てになったことにより収益が300万円に減りました
- 5階建て:4階から5階てになったことにより収益が100万円に減りました
3階建てまでは収益が大きくなっていき(=逓増)、3階建てを超えると収益が小さくなっていきます(=逓減)。
このような場合には3階建てが収益最大となります。
収益逓増及び逓減の原則とは、投資額に対応する収益の上記のような特徴の事です。
鑑定評価と収益逓増及び逓減の原則
鑑定評価においては最有効使用の判定において、当該原則を考慮する必要があります。
例えば、土地残余法の想定建物については容積率等の法令上の規制だけでなく、需要と供給を十分に分析して限界収益が最大となるような建物を想定すべきです。
他の原則との関係
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