変動の原則の意義
一般に財の価格は、その価格を形成する要因の変化に伴って変動する。
不動産鑑定評価基準 総論第4章Ⅱ
不動産の価格も多数の価格形成要因の相互因果関係の組合せの流れである変動の過程において形成されるものである。
したがって、不動産の鑑定評価に当たっては、価格形成要因が常に変動の過程にあることを認識して、各要因間の相互因果関係を動的に把握すべきである。
特に、不動産の最有効使用(Ⅳ参照)を判定するためには、この変動の過程を分析することが必要である。
変動の原則は一般の経済法則を基礎とする原則ですが、鑑定評価の立場からこれを表現した法則です。
一般財の場合
財の価格はその価格形成要因の変化に伴って変動します。
価格形成要因には様々なものがありますが、例えばPCであれば、CPU・メモリ・液晶などの性能やブランド等があります。
不動産の場合
不動産の価格も一般財の場合とほぼ同じですが、不動産の場合は多数の価格形成要因の相互作用によって形成され、その価格形成要因も常に変動していることから、不動産の価格は常に変動の過程にあるといえます。
鑑定評価と変動の原則
不動産の鑑定評価においては価格時点(=価格の判定の基礎となった日)を確定する必要がありますが、これは不動産の価格が常に変動していることに基因します。
つまり変動の原則は価格時点の確定の根拠と言えます。
また、不動産の種別にはある地域から別のある地域に移行転換している状態の地域内にある「移行地」「見込地」と呼ばれる種別があります。
これらの種別も変動の過程にある土地を評価するためのものです。
他の原則との関係
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