寄与の原則の意義
不動産のある部分がその不動産全体の収益獲得に寄与する度合いは、その不動産全体の価格に影響を及ぼす。
この原則は、不動産の最有効使用の判定に当たっての不動産の追加投資の適否の判定等に有用である。
不動産鑑定評価基準 総論第4章Ⅷ
この原則は一般の経済法則を基礎とする原則ですが、不動産鑑定の立場からこれを表現したものです。
内容
寄与とは「役に立つこと」「貢献」という意味です。
寄与の原則は様々なケースが考えられますが、ここでは土地の場合と建物の場合に分けてご紹介します。
土地の場合
例えば次のような土地があったとします。
本件土地の所有者は隣地を手に入れることによって、整形な土地となり、土地の有効な利用方法が可能となります。
整形地で土地の有効利用が可能となれば、当然一体地としての価格は上昇します。
寄与の原則の本文に当該事例を当てはめてみます。
”不動産のある部分(隣地)が、その不動産全体(一体地)の収益獲得に寄与する度合いは、その不動産全体(一体地)の価格に影響を及ぼす。"
建物の場合
建物の場合は賃貸不動産を例にします。
建物を増築していった場合に、その不動産全体の収益に与える影響は上図のようなイメージになります。
増築をしたことにより賃貸収入は増えていきます。
しかし投資額に見合った収益は最初は増えるものの、徐々に減少します。
ここで寄与の原則本文に当てはめてみます。
”不動産のある部分(〇〇階)が、その不動産全体(一棟)の収益獲得に寄与する度合いは、その不動産全体(一棟)の価格に影響を及ぼす。"
つまり寄与の原則は、不動産の追加投資の判定に有用な原則と言えます。
鑑定評価と寄与の原則
寄与の原則は最有効使用の判定や限定価格を求める際に重要な考え方になります。
他の原則との関係
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