区分所有建物及びその敷地とは?
不動産鑑定評価基準による定義は次の通りです。
区分所有建物及びその敷地とは、建物の区分所有等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分並びに当該専有部分に係る同条第4項に規定する共用部分の共有持分及び同条第6項に規定する敷地利用権をいう。
不動産鑑定評価基準 総論第2章第2節Ⅱ
区分所有建物及びその敷地の代表は分譲マンションです。
分譲マンションは、①専有部分、②共用部分、③敷地利用権から構成されています。
- 専有部分
- 構造上、用途上の独立性を有している部分のことで、マンションで言えば居住部分の事です。
- 共用部分
- マンションの廊下やエレベーターなどの法定共用部分と、管理人室等の規約共用部分があります。
- 敷地利用権
- 区分所有者が持つ、敷地を利用するための権利の事です。通常土地の共有持分で表されます。
区分所有建物及びその敷地はさらに次の区分に細分されます。
①専有部分が自用の場合(=自分で住んでいる)
②専有部分が賃貸されている場合(=他人に貸している)
評価方法
①専有部分が自用の場合
不動産鑑定評価基準には次のように定められています。
区分所有建物及びその敷地で、専有部分を区分所有者が使用しているものについての鑑定評価額は、積算価格、比準価格及び収益価格を関連づけて決定するものとする。
不動産鑑定評価基準 各論第1章 第2節Ⅳ2
このように価格の三手法を併用して鑑定評価額を決定します。
また、鑑定評価基準上の区分所有建物及びその敷地の価格形成要因として挙げられているものをご紹介します。
②専有部分が賃貸されている場合
区分所有建物及びその敷地で、専有部分が賃貸されているものについての鑑定評価額は、実際実質賃料(売主が既に受領した一時金のうち売買等に当たって買主に承継されない部分がある場合には、当該部分の運用益及び償却額を含まないものとする。)に基づく純収益等の現在価値の総和を求めることにより得た収益価格を標準とし、積算価格及び比準価格を比較考量して決定するものとする。
不動産鑑定評価基準 各論第1章 第2節Ⅲ2
この場合には先ほどの勘案事項に加えて次の事項も総合的に勘案して求めるものとされています。
1.将来における賃料の改定の実現性とその程度
不動産鑑定評価基準 各論第1章 第2節Ⅱ2
2.契約に当たって授受された一時金の額及びこれに関する契約条件
3.将来見込まれる一時金の額及びこれに関する契約条件
4.契約締結の経緯、経過した借家期間及び残存期間並びに建物の残存耐用年数
5.貸家及びその敷地の取引慣行並びに取引利回り
6.借家の目的、契約の形式、登記の有無、転借か否かの別及び定期建物賃貸借(借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借をいう。)か否かの別
7.借家権価格
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